先人たちの底力 知恵泉 「本居宣長 日本人の“心の原点”を探る」 が11月8日に再放送されました。
私たちはなぜ桜に心を動かされるのでしょうか。
なぜ物語に涙し、 失われゆくものへ切なさを感じるのでしょうか。
江戸時代、 そんな「日本人の心とは何か」という問いに生涯をかけて挑んだ人物がいました。
その人こそ本居宣長(もとおり のりなが)です。
『古事記伝』を完成させた国学者として知られていますが、 宣長の本当の功績は単なる古典研究ではありません。
日本人が古くから持ち続けてきた感性や価値観を掘り起こし、 後世へ伝えたことにありました。
NHK「先人たちの底力 知恵泉 本居宣長 日本人の“心の原点”を探る」では、 宣長がなぜ『古事記』に魅せられたのか、 そしてどのようにして“もののあはれ”という思想へたどり着いたのかが紹介されていました。
この記事では番組内容をもとに、 本居宣長の生涯、 国学誕生の背景、 『古事記伝』完成までの道のり、 そして現代にも通じる知恵について詳しく解説します。
この記事はこんな人におすすめ
- 本居宣長について詳しく知りたい
- 国学とは何かを学びたい
- 古事記に興味がある
- 日本人の精神文化を知りたい
- 知恵泉をより深く楽しみたい
3分でわかる本居宣長
- 江戸時代を代表する国学者だった
- 医師として働きながら研究を続けた
- 『古事記伝』全44巻を完成させた
- 「もののあはれ」を重視した
- 日本人の感性を深く研究した
- 後の日本文化研究へ大きな影響を与えた
本居宣長とは何者だったのか
本居宣長は1730年、 伊勢国松坂(現在の三重県松阪市)で生まれました。
商人の家に生まれましたが、 幼い頃から学問に強い関心を持っていました。
後に京都で医学を学び、 故郷で医師として開業します。
しかし宣長を歴史に残したのは医学ではなく、 古典研究でした。
診療の合間を縫いながら研究を続け、 やがて日本最大級の古典研究者となっていくのです。
本居宣長 年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1730年 | 伊勢国松坂に誕生 |
| 1752年 | 京都で医学を学ぶ |
| 1757年 | 松坂で医師として開業 |
| 1763年 | 賀茂真淵と出会う(松坂の一夜) |
| 1764年 | 『古事記』研究に本格着手 |
| 1798年 | 『古事記伝』完成 |
| 1801年 | 死去 |
なぜ宣長は古事記に魅了されたのか
当時の学問の常識への疑問
江戸時代の知識人は、 中国の儒学や仏教思想を重視していました。
物事を理屈や道徳で説明しようとする考え方が主流だったのです。
しかし宣長は違和感を抱きます。
「日本人本来の感性はそこにあるのだろうか」
そう考えたのです。
日本古典への回帰
宣長は日本最古の歴史書である『古事記』に注目しました。
そこには、 後の時代に付け加えられた思想ではなく、 古代日本人の感覚が残されていると考えたのです。
運命を変えた「松坂の一夜」
賀茂真淵との出会い
1763年、 宣長は国学者・賀茂真淵と出会います。
後に「松坂の一夜」と呼ばれる歴史的な出会いでした。
二人が直接語り合った時間はわずか一晩でした。
しかし、 その一夜が宣長の人生を決定づけます。
古事記研究への挑戦
真淵は宣長に、 まず『古事記』を徹底的に研究するよう助言しました。
宣長はその言葉を生涯守り続けます。
そして34年もの歳月をかけて、 『古事記伝』を完成させるのです。
『古事記伝』とは何か
人生をかけた大研究
『古事記伝』は全44巻に及ぶ大著です。
単なる注釈書ではありません。
言葉、 歴史、 神話、 文化を総合的に分析した研究書でした。
宣長は膨大な資料を調べ、 一つ一つの表現を丁寧に読み解いていきました。
日本文化研究の基礎
この成果は現在でも高く評価されています。
日本文化や神話研究の重要な基礎となりました。
「もののあはれ」とは何か
宣長思想の核心
本居宣長を語るうえで欠かせない言葉が 「もののあはれ」です。
これは、 物事が移ろいゆく姿に心を動かされる感情を意味します。
桜が散る。
季節が変わる。
大切な人と別れる。
その切なさに共感する心こそ、 日本人らしい感性だと宣長は考えました。
理屈ではなく感情
宣長は人間を理性だけで説明できないと考えました。
人は感情によって動く存在です。
そして感情を大切にすることが、 豊かな人生につながると考えていたのです。
なぜ宣長は多くの弟子を育てられたのか
地方から全国へ発信
宣長は江戸や京都の中心部ではなく、 地方都市の松坂で活動しました。
それでも全国から弟子が集まりました。
学問の質が圧倒的だったからです。
わかりやすく伝えた
宣長は難しい知識を容易に説明する能力にも優れていました。
研究者でありながら教育者でもあったのです。
本居宣長の知恵① 好きなことを徹底的に掘り下げる
宣長は人生の大半を古事記研究へ注ぎました。
流行や評価に左右されず、 一つのテーマを深く追究したのです。
本居宣長の知恵② 感情を否定しない
合理性も大切です。
しかし人間は感情の生き物でもあります。
宣長はその事実を見抜いていました。
本居宣長の知恵③ 原点に戻る
問題に直面した時、 宣長は古い資料へ立ち返りました。
本質を知るには原点を見ることが重要なのです。
もし本居宣長がいなかったら?
日本文化研究は大きく違ったものになっていたでしょう。
『古事記』も現在ほど研究されなかったかもしれません。
また、 「もののあはれ」という日本独自の感性も十分に語られなかった可能性があります。
それほど宣長の功績は大きいのです。
現代人が学ぶ本居宣長の教訓
- 長期的に学び続ける大切さ
- 感情を理解する重要性
- 原点へ立ち返る姿勢
- 専門性を極める価値
- 地方からでも大きな仕事はできること
あわせて読みたい関連記事
- 【英雄たちの選択】後白河法皇 日本第一の大天狗
- 【歴史探偵】正岡子規 病と闘った文学革命家
- 【英雄たちの選択】福澤諭吉 日本近代化の夢
- 【英雄たちの選択】アーネスト・フェノロサ 国宝誕生
- 【知恵泉】文化財疎開 空襲から宝を守れ
- 【偉人の年収 How much?】大江健三郎の年収はいくらだった?
まとめ|本居宣長は「日本人の心」を発見した研究者だった
本居宣長は、 単なる古典学者ではありませんでした。
日本人は何に感動し、 何に悲しみ、 何を美しいと感じるのか。
その心の原点を探し続けた思想家でした。
34年をかけて完成させた『古事記伝』。
そして「もののあはれ」という考え方。
それらは今も日本文化を理解する大切な鍵になっています。
NHK「先人たちの底力 知恵泉 本居宣長 日本人の“心の原点”を探る」は、 激しい変化の時代だからこそ、 自分たちの原点を見つめ直す大切さを教えてくれる回でした。
本居宣長が探し続けた“日本人の心”は、 現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれるのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿